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三角関数から転送)

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() の ()
(() の [平方根 v]::operators)
カテゴリ 演算
タイプ
追加 Scratch 1.2

() の ()ブロック(演算ブロック/値ブロック)とは、各種の数学関数(中学校などでは、単に関数ともいう)の演算を行うブロックである。メニューから、演算の種別を選ぶことができる。

使用例

このブロックは、他のブロックでは代用が難しい演算を行うことができる。このブロックの主な使い方は以下の通り:

引数の種類

絶対値

絶対値は、数直線上での原点(値が0の点)からの距離を表す。(つまり、(実数では、)符号を+に変えるということ。)たとえば、-4の絶対値は4、3の絶対値は3、0の絶対値は0である。数学では、a の絶対値を |a| と表す。Scratch 1.2以前では、このブロックは独立していた。

切り下げ

指定した数の小数点以下を切り下げて整数にする。たとえば、1.73を指定した場合は1を、-2.74を指定した場合は-3を返す。[1]

切り上げ

指定した数の小数点以下を切り上げて整数にする。たとえば、3.14を指定した場合は4を、-7.68を指定した場合は-7を返す。[2]

平方根

平方根とは、2乗すると目的の数になる数値のことで、x^2=aのとき、xはaの平方根であると言う。「2乗根」と呼ばれることもある。たとえば、4の平方根は2と-2、9の平方根は3と-3、0の平方根は0のみである。このように、0以外の数に対する平方根は、常に正(プラス)と負(マイナス)の2種類が存在するが、このブロックが返すのは正の平方根のみである。なお、数学では、a の正の平方根を √a と表す(ただし、√0=0)。

Scratchでは、純虚数(負の数の平方根)はサポートされていない。このため、負の数の平方根を求めようとすると、NaN(not a number、非数)を返す。(Scratch 1.4ではエラーが発生した。) 次のようなコードで事前に入力の正負を調べ、場合を分けて処理すれば、どちらの場合でも数学的に正しい答えを得ることができる。

もし <(入力)<[0]> なら
[入力 v] を ((0) - (入力)) にする//入力された負の数を正の数に変換
[出力 v] を (((入力)の[平方根 v]::operators)と [i]) にする //正の数にして算出した平方根にiをかけて出力
でなければ
[出力 v] を ((入力)の[平方根 v]::operators) にする
Warning
メモ:
iは虚数単位と呼ばれる数であり、√-1 (-1の2つある平方根のうちの一方)を意味する。

sin、cos、tan (三角関数)

直角三角形
三角関数の単位円を用いた定義

sin、cos、tanは、三角関数と呼ばれるものである。これらは、直角三角形の直角以外の角の角度(θ(シータ)という文字で表されることが多い)を与えると、その直角三角形の2辺の比を返す。これらの関数を選択した場合、ブロックに入れた値は直角三角形の角度 (単位は °) として扱われる。

sin (サイン)

正弦。直角三角形の角度を与えると、対辺と斜辺の比を返す。右の画像の三角形ではsin θ = b / c。

cos (コサイン)

余弦。直角三角形の角度を与えると、隣辺と斜辺の比を返す。右の画像の三角形では cos θ = a / c 。

tan (タンジェント)

正接。直角三角形のある角度を与えると、隣辺と対辺の比を返す。右の画像の三角形では tan θ = b / a 。

θが90以上の場合

直角三角形による定義ではθが90以上になることはないが、単位円を使うとθを90以上に拡張できる。

単位円(原点を中心とする、半径が1の円)の円周上の点Aと原点Oを結ぶ線分AOがあり、AOとx軸のなす角をθとすると、sin θ =(点Aのy座標)、cos θ =(点Aのx座標)、tan θ = sin θ / cos θ となる。


asin、acos、atan (逆三角関数)

asin、acos、atanは、 逆三角関数と呼ばれるものである。sin、cos、tanが、直角三角形の1つの角度から2辺の比を調べる関数であるのに対し、asin、acos、atanは、直角三角形の2辺の比から角度を調べる関数である。

asin (アークサイン)

逆正弦。sin−1と書かれることもある。直角三角形の対辺と斜辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では asin b / c = θ

acos (アークコサイン)

逆余弦。cos−1と書かれることもある。直角三角形の隣辺と斜辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では acos a / c = θ

atan (アークタンジェント)

逆正接。tan−1と書かれることもある。直角三角形の隣辺と対辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では atan b / a = θ

指数と対数

e^ と 10^

e^と10^は指数関数である。これらは lnとlogの2つの対数関数の逆にあたる。

「e^n」や「10^n」の「n」に当たる数は「指数」と呼ばれ、eや10を何個かけるかを表す。例えば、10^2=10×10=100、10^6=10×10×10×10×10×10=1000000、e^3=e×e×e=148.4……である。また、eをn個かけたものをeのn乗、10をn個かけたものを10のn乗という。例えば、10^2は10の2乗、10^6は10の6乗、e^3はeの3乗である。

Warning
メモ:
「e^n」や「10^n」は、「en」や「10n」と表記されることもある。
e^

e^は、ネイピア数eを何乗かしたときの結果を返す。ネイピア数は、2.71828...と無限に続く数で、数学では普通eという文字で表される。

10^

10^は、10を何乗かしたときの結果を返す。

lnとlog

lnとlogは対数関数である。これらは e^ と 10^の2つの指数関数の逆にあたる。

「ln n」や「log n」の「n」に当たる数は、eや10を何個かかけるとnになることを表す。例えば、log 100=log 10×10=log 10^2=2、log 1000000=log 10×10×10×10×10×10=log 10^6=6、ln 148.4……=ln e×e×e×e×e=ln e^5=5である。

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メモ:
この場合のeや10は「底」と呼ばれる。
ln

lnは自然対数(eを底とする対数)を返す関数である。ネイピア数eを何乗すれば指定した値になるかを返す。

log

logは常用対数(10を底とする対数)を返す関数である。10を何乗すれば指定した値になるかを返す。

Warning
メモ:
この場合の「log n」は、「log10 n」を指すが、「loge n」の意味で「log n」が使われる場合もある。

注釈

  1. -2.74を切り下げた結果を-2とする考え方も存在するが、Scratchでは正の数の切り下げと同じ向き(マイナス方向)に切り下げる
  2. -7.68を切り上げた結果を-8とする考え方も存在するが、Scratchで正の数の切り上げと同じ方き(プラス方向)に切り上げる
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