提供: Japanese Scratch-Wiki
Scratchは、プログラミングがまったくはじめてという人に向けてつくられた言語だが、それでもプログラミング言語を使いこなすのは簡単ではない。Scratchのプログラミング作成画面は、スクリプト、 ペイント、サウンドという3つのエディターでできているが、これも最初はややこしく感じるかもしれない。このチュートリアルでは、これまでまったくプログラムをつくったことのない人や、最初にScratchの基本用語を理解しておきたい人を対象にしている。
プロジェクト
Scratchでは、アニメーション、ストーリー、ゲームなどさまざまな作品を作ることができるが、これらの作品はまとめてプロジェクトと呼ばれている。Scratchのプロジェクトは、Scratchプログラムで作られており、Scratchコミュニティによって世界中に公開することができる。言い換えると、プロジェクトとは、実行可能なアプリケーション作品のことである。
ユーザーインターフェース(プログラム作成画面)
Scratchのプログラム作成画面は、2つの区画に分かれている。1つは、プロジェクトを実行する場所、もう1つは、プロジェクトを作る場所である。
プロジェクトを実行する場所(ステージ)
プログラム作成画面の右上にあるのがステージと呼ばれるプロジェクトを実行する場所である(右上の画像を参照)。たとえばゲームプロジェクトをプレイするときは、ステージがそのゲームを表示するウィンドウになる。 なお、Scratchを起動したときは、ステージ上にScratchキャットが表示されている。これはScratchにおいてさまざまな形で利用するスプライトの1つである。Scratchでは、このスプライトを好きなように使うことができる(たとえば、動かしたり見た目を変えてキャラクターとして使ったり、ユーザーのマウスクリックを受け付ける「ボタン」として使ったりできる)。このように自由にスプライトなどを利用できるのがScratchの特徴の1つであり、ユーザーの創造性を十分に引き出し、思い通りのプロジェクトを作るのに役立っている。
プログラムを作る
プログラム作成画面についてくわしく見て行く前に、まずは、Scratchでスプライトをどのようにプログラムしたらよいか、手っ取り早く理解するために、実際に試してみよう。Scratchを開いて「作る」メニューを押し、新しいプロジェクトを開いて、次の手順を実行してほしい。
1. Scratch画面のここを見る。
2. () 歩動かすと書かれた青い"ブロック"を、マウスでドラッグして(ボタンを押したまま動かして)右側のエリアに移動する。
3. マウスのボタンから手を離して、ブロックを置く。スクリプトエリアと呼ばれる場所にこのブロックが置かれたことを確認してほしい。
4.終わったら、ブロックの青い部分(白い部分以外ならどこでもよい)をクリックして、Scratchキャットがどうなるか見てみよう。10歩動いたはずだ。
5. ほかのカテゴリのブロックについても、クリックするとどんな変化が起こるか1つずつ試してみよう。
ブロック
ここまでに見てきたように、ブロックは文字通りScratchプロジェクトという建物をつくる「ブロック」として働く。ブロックは、それぞれ決められた命令を持っており、その機能は1つずつ違う。次のように、ブロックの中には、別のブロックの中にすっぽり収めて使うものもある。
1. 「スクリプト」(ブロックをつなげたもの)を作るために、色を参考にして、それぞれ違うカテゴリにある次のブロックを集めてこよう。
2. これらのブロックを次の形になるように、マウスで移動しよう(ヒント:ブロックの並びを間違えたときは、下側のブロックをドラッグすると分解できる)
3.ここで、まだ他のブロックとつながっていない、「調べる」ブロックから持ってきた、水色の「スペースキーが押された」ブロックをつかむ。
4. 「スペースキーが押された」ブロックをオレンジ色の「もし () なら」ブロックの中にある、六角形の場所に入れる。
5. ステージ左上にある緑の旗 をクリックして、プロジェクトを実行してみよう。何か起こるだろうか。
6. スペースキーを押していないかぎり、何も起こらない。これはなぜだろうか。スクリプト(ブロックの積み重ね)をもう一度、よく見てほしい。
@greenFlag が押されたとき::events hat もし <[スペース v] キーが押された> なら (10) 歩動かす end
このスクリプトは、「緑の旗がクリックされたとき」というブロックで始まっている。このブロックは、名前のとおり緑の旗がクリックされると、下にあるスクリプトが実行されるしくみになっている。このようにして実行を開始したスクリプトの次にあるのは、「もしスペースキーが押された なら」というブロックである。したがって、このブロックの言うとおりにスペースキーが押されていれば、「なら」の後ろにあるスプライトを「10歩動かす」が実行されると予想できるはずだ。
それではスペースキーを押しながら緑の旗をクリックして、もう一度このプロジェクトを実行し、スプライトが10歩動くことを確認しておこう。
ペイント/サウンドエディター
- 詳細は「ペイントエディター (3.0)」を参照
- 詳細は「サウンドエディター (3.0)」を参照
Scratchには、独自のペイントエディター(お絵かきソフト)とサウンドエディター(音声の録音、編集ソフト)が用意されている。
ペイントエディターは、画像、イラストを描いたり編集したりするソフトであり、これを使うと、スプライト(プロジェクトで使うキャラクターやボタンなど)の画像を自分で作成できる。
サウンドエディター(音エディター)は、プロジェクトで使用する音声を、別の場所から取り込んだり、録音、変更することができるソフトである。
これらのエディターを使うときは、ブロックパレットの上にあるタブをクリックする(「コスチューム」(または背景)をクリックするとペイントエディター、「音」をクリックするとサウンドエディターが開く)。
スプライトペイン
1つのプロジェクトの中で、すべてのスプライトが同じ機能を果たすことはありえないので、スプライトはそれぞれ違う見た目、スクリプト、音を持ち、これらのデータは、スプライトごとに保存される。
現在のスプライトと違うスプライトを選択するときは、ステージの下にあるスプライトペインを使う。現在選択しているスプライトは水色の枠で囲まれており、スプライトペインの別のスプライトをクリックすると、水色の枠がそのスプライトに移動し、スクリプト、コスチューム、音などのデータもそのスプライトのものに切り替わる。スプライトペインの画像を右に示しておく。
新しいスプライトを作成する
Scratchのほとんどのプロジェクトには2つ以上のスプライトが存在するが、画面に最初に表示されるスプライトはScratchキャット1つだけである。新しいスプライトを作るにはどうすればよいだろうか。実は、スプライトペインには、新しいスプライトを作るためのボタンがある。マウスを上に乗せるとすべての選択肢が表示される。
これらのボタンを使うと、プロジェクトに新しいスプライトを追加できる。これらは、下から順に、それぞれ次の方法でスプライトを追加するボタンである。
- スプライトライブラリーを開く(あらかじめ用意されたスプライトから選ぶ)
- ペイントエディターで自分でスプライトの絵を描く
- スプライトライブラリーのスプライトから適当に選ぶ(サプライズ)
- ファイル選択ウィンドウを表示して、使用中のコンピューターにある画像をアップロードする
リミックス
- 詳細は「リミックス」を参照
Scratch ウェブサイトは、多数のプロジェクトであふれかえっている。かっこいいプロジェクトを見つけたら、次の手順にしたがって、気軽にリミックスしてみよう。 リミックスは、自由にすることが出来る。安心してリミックスしよう。 リミックス元の作品の作者にリミックスの許可を取る必要は無い。
- プロジェクトの右上にある「中を見る」ボタンをクリックする
- プロジェクトの中にあるスクリプトを、自分のアイディアで変更してみる
- 右上にあるオレンジ色のリミックスボタンを押す
- 変更したプロジェクトが、あなたのリミックス作品として登録される
注意
- 変化を加えないで公開する事(いわゆる丸コピ)は禁止されている。
- リミックスを禁止することも禁止されている(リミックスを禁止できない)。
次のステップ
初心者がScratchについてくわしくなるための方法は、主に実際にScratchでいろいろやってみることである。いろいろなブロックを試したり、ペイントエディターで違うツールを使ってみたり、サウンドエディターにはどんな機能があるかを覗いてみることで、Scratchについての理解がぐっと深まるだろう。フォーラムやScratch Wikiなどの情報も、必要なときの助けとなるはずだ。 しかし、一生懸命、少しでも良いプロジェクトを作ろうと努力することが、Scratchについて学ぶ最高の方法だ。
チュートリアル
画面上部の「チュートリアル」を押し、項目をクリックすると、チュートリアル動画を見ることができる。多くは日本語に吹き替えがされているが、一部は英語だったり、字幕がついていたりする。