提供: Japanese Scratch-Wiki

(言語間リンクは慣習的に記事の最後にまとめておくことになっています。リンク先の変更など。)
1行目: 1行目:
 
{{ブロック
 
{{ブロック
| name       = ([ v] (( ))
+
| name = ([ v] (( ))
| block     = <sb>([平方根 v] \( (9) \)::operators)</sb>
+
| block = <sb>([平方根 v] \( (9) \)::operators)</sb>
| category   = [[演算ブロック|演算]]
+
| category = [[演算ブロック|演算]]
| type       = [[値ブロック|値]]
+
| type = [[値ブロック|値]]
| added     = 1.2
+
| added = 1.2
 
}}
 
}}
 
{{リダイレクト|() ( () )|調べるブロック|() ( () ) (調べるブロック)}}
 
{{リダイレクト|() ( () )|調べるブロック|() ( () ) (調べるブロック)}}
<sb>([ v] \(()\)::operators)</sb>は、各種の[[数学]]関数の演算を行う[[ブロック]]である。メニューから、演算の種別を選ぶことができる。
+
<sb>([ v] \(()\)::operators)</sb>は、各種の[[数学]]函数の演算を行う[[ブロック]]である。メニューから、演算の種別を選ぶことができる。
  
 
== 使用例 ==
 
== 使用例 ==
18行目: 18行目:
 
* 三角形の辺の長さや角を測定する
 
* 三角形の辺の長さや角を測定する
 
* 10進数以外を扱う
 
* 10進数以外を扱う
== 数学関数 ==
+
== 数学函数 ==
 
=== 絶対値 ===
 
=== 絶対値 ===
 
絶対値は、数直線上での原点からの距離を表す。(つまり、符号を+に変えるということ。)たとえば、-4の絶対値は4、3の絶対値は3である。数学では、絶対値は、|-3|のように表す。Scratch 1.2以前では、このブロックは独立していた。
 
絶対値は、数直線上での原点からの距離を表す。(つまり、符号を+に変えるということ。)たとえば、-4の絶対値は4、3の絶対値は3である。数学では、絶対値は、|-3|のように表す。Scratch 1.2以前では、このブロックは独立していた。
  
===切り捨てと切り上げ===
+
===切り下げと切り上げ===
====切り捨て====
+
====切り下げ====
指定した数の小数点以下を切り捨てて整数にする。たとえば、1.73を指定した場合は1を返す。-2.74を指定した場合は-3を返す。※-2.74を切り捨てた結果を-2とする考え方も存在するが、Scratchでは正の数の切り捨てと同じ向き(マイナス方向)に切り捨てる
+
指定した数の小数点以下を切り下げて整数にする。たとえば、1.73を指定した場合は1を返す。-2.74を指定した場合は-3を返す。<ref>-2.74を切り下げた結果を-2とする考え方も存在するが、Scratchでは正の数の切り下げと同じ向き(マイナス方向)に切り下げる</ref>。
  
 
====切り上げ====
 
====切り上げ====
指定した数の小数点以下を切り上げて整数にする。たとえば、3.14を指定した場合は4を返す。-7.68を指定した場合は-7を返す。※-7.68を切り上げた結果を-8とする考え方も存在するが、Scratchで正の数の切り上げと同じ方向プラス方向 )に切り上げる
+
指定した数の小数点以下を切り上げて整数にする。たとえば、3.14を指定した場合は4を返す。-7.68を指定した場合は-7を返す。<ref>-7.68を切り上げた結果を-8とする考え方も存在するが、Scratchで正の数の切り上げと同じ方向プラス方向 )に切り上げる</ref>。
  
 
=== 平方根 ===
 
=== 平方根 ===
 
平方根とは、2乗すると目的の数になる数値のことで、x<sup>2</sup>=aのとき、xはaの平方根であると言う。たとえば、4の平方根は2と-2、9の平方根は3と-3である。このように、0以外の数に対する平方根は、常に正と負の2種類が存在するが、このブロックが返すのは正の平方根のみである。なお、数学では、平方根を√1のような記号で表す。
 
平方根とは、2乗すると目的の数になる数値のことで、x<sup>2</sup>=aのとき、xはaの平方根であると言う。たとえば、4の平方根は2と-2、9の平方根は3と-3である。このように、0以外の数に対する平方根は、常に正と負の2種類が存在するが、このブロックが返すのは正の平方根のみである。なお、数学では、平方根を√1のような記号で表す。
  
Scratchでは、虚数 (負数に対する平方根) はサポートされていない。このため、負数の平方根を求めようとすると、[[Scratch 1.4]]では、[[スクリプト#スクリプトエラー|エラー]]が発生する。一方、[[Scratch 2.0]]では、NaNを返す。
+
Scratchでは、虚数 (負数に対する平方根) はサポートされていない。このため、負数の平方根を求めようとすると、[[Scratch 1.4]]では、[[スクリプト#スクリプトエラー|エラー]]が発生する。一方、[[Scratch 2.0]]では、NaN(非数)を返す。
 
次のようなコードで事前に入力の正負を調べ、場合をわけて処理すれば、どちらの場合でも数学的に正しい答えを得ることができる。
 
次のようなコードで事前に入力の正負を調べ、場合をわけて処理すれば、どちらの場合でも数学的に正しい答えを得ることができる。
  
45行目: 45行目:
 
メモ:iは虚数単位と呼ばれる数であり、√-1を意味する。
 
メモ:iは虚数単位と呼ばれる数であり、√-1を意味する。
  
=== sin、cos、tan (三角関数)===
+
=== sin、cos、tan (三角函数)===
sin、cos、tanは、[[wikipedia:三角関数|三角関数]]と呼ばれるものである。これらは、直角三角形の直角以外の角を与えると、その三角形の2辺の比を返す。これらの関数を選択した場合、ブロックに入れた値は直角三角形の該当する角の角度 (°) として扱われる。
+
[[File:trigonometric.png|thumb|300px|right|直角三角形]]
 +
sin、cos、tanは、[[wikipedia:三角函数|三角函数]]と呼ばれるものである。これらは、直角三角形の直角以外の角を与えると、その三角形の2辺の比を返す。これらの函数を選択した場合、ブロックに入れた値は直角三角形の該当する角の角度 (°) として扱われる
  
[[File:trigonometric.png]]
+
==== sin (サイン) ====
 
 
==== sin (サイン) ====
 
 
正弦。直角三角形の角度を与えると、対辺と斜辺の比を返す。上の三角形ではsin θ = b / c
 
正弦。直角三角形の角度を与えると、対辺と斜辺の比を返す。上の三角形ではsin θ = b / c
  
==== cos (コサイン) ====
+
==== cos (コサイン) ====
 
余弦。直角三角形の角度を与えると、隣辺と斜辺の比を返す。上の三角形ではcos θ = a / c
 
余弦。直角三角形の角度を与えると、隣辺と斜辺の比を返す。上の三角形ではcos θ = a / c
  
==== tan (タンジェント) ====
+
==== tan (タンジェント) ====
正接。直角三角形のある角度を与えると、隣辺と対辺の比を返す。上の三角形ではtan θ = b / a
+
正接。直角三角形のある角度を与えると、隣辺と対辺の比を返す。上の三角形ではtan θ = b / a
  
=== asin、acos、atan (逆三角関数) ===
+
=== asin、acos、atan (逆三角函数) ===
asin、acos、atanは、 [[wikipedia:逆三角関数|逆三角関数]]と呼ばれるものである。sin、cos、tanが、直角三角形の1つの角度から2辺の比を調べる関数であるのに対し、asin、acos、atanは、直角三角形の2辺の比から角度を調べる関数である。
+
asin、acos、atanは、 [[wikipedia:逆三角函数|逆三角函数]]と呼ばれるものである。sin、cos、tanが、直角三角形の1つの角度から2辺の比を調べる函数であるのに対し、asin、acos、atanは、直角三角形の2辺の比から角度を調べる函数である。
  
==== asin (アークサイン) ====
+
==== asin (アークサイン) ====
 
逆正弦。sin<sup>−1</sup>と書かれることもある。直角三角形の対辺と斜辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では asin b / c = θ
 
逆正弦。sin<sup>−1</sup>と書かれることもある。直角三角形の対辺と斜辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では asin b / c = θ
  
71行目: 70行目:
 
逆正接。tan<sup>−1</sup>と書かれることもある。直角三角形の隣辺と対辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では atan b / a = θ
 
逆正接。tan<sup>−1</sup>と書かれることもある。直角三角形の隣辺と対辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では atan b / a = θ
  
=== lnとlog ===
+
===指数と対数===
lnとlogは[[wikipedia:対数|対数関数]]である。これらは [[#e^ と 10^|e^ と 10^]]の2つの指数関数の逆にあたる。
 
====ln====
 
lnは自然対数を返す関数である。ネイピア数eを何乗すれば指定した値になるかを返す。たとえば、148.4を指定した場合、このブロックは約5を返す。※e<sup>5</sup> (e×e×e×e×e) は 約148.4
 
  
==== log ====
+
==== e^ と 10^ ====
logは常用対数を返す関数である。10を何乗すれば指定した値になるかを返す。たとえば、100を指定した場合、このブロックは2を返す。※10<sup>2</sup> = 10 × 10 = 100
+
e^と10^は[[wikipedia:指数函数|指数函数]]である。これらは [[#lnとlog|lnとlog]]の2つの対数函数の逆にあたる。
 +
===== e^ =====
 +
これは、[[wikipedia:ネイピア数|ネイピア数]]eを何乗かしたときの結果を返す。ネイピア数は、2.71828...と続く数で、数学ではeで表される。
 +
===== 10^ =====
 +
これは、10を何乗かした数を返す。たとえば、10^2=10<sup>2</sup>=10 × 10 = 100である。
  
=== e^ と 10^ ===
+
==== lnとlog ====
e^と10^は[[wikipedia:指数関数|指数関数]]である。これらは [[#lnとlog|lnとlog]]の2つの対数関数の逆にあたる。
+
lnとlogは[[wikipedia:対数|対数函数]]である。これらは [[#e^ と 10^|e^ と 10^]]の2つの指数函数の逆にあたる。
==== e^ ====
+
=====ln=====
これは、[[wikipedia:ネイピア数|ネイピア数]]を何乗かしたときの結果を返す。ネイピア数は、2.71828...と続く数で、数学ではeで表される。
+
lnは自然対数を返す函数である。ネイピア数eを何乗すれば指定した値になるかを返す。たとえば、148.4を指定した場合、このブロックは約5を返す。<ref>e<sup>5</sup> (e×e×e×e×e) は 約148.4</ref>
==== 10^ ====
+
===== log =====
これは、10を何乗かした数を返す。たとえば、10^2=10<sup>2</sup>=10 × 10 = 100である。
+
logは常用対数を返す函数である。10を何乗すれば指定した値になるかを返す。たとえば、100を指定した場合、このブロックは2を返す。<ref>10<sup>2</sup> = 10 × 10 = 100</ref>
  
 +
==注釈==
 +
<references />
  
 
{{演算ブロック}}
 
{{演算ブロック}}

2017年8月11日 (金) 16:42時点における版

([ v] (( ))
([平方根 v] \( (9) \)::operators)
カテゴリ 演算
タイプ
追加 Scratch 1.2
"() ( () )"はこのページにリダイレクトされました。調べるブロックについては、() ( () ) (調べるブロック)をご覧ください。

([ v] \(()\)::operators)は、各種の数学函数の演算を行うブロックである。メニューから、演算の種別を選ぶことができる。

使用例

このブロックは、他のブロックでは代用が難しい演算を行うことができる。このブロックの主な使い方は以下の通り:

  • 電卓
  • 数式の計算
  • 100%penによる模様
  • ゲームのスコアを計算する
  • ある地点からの距離を算出する
  • 三角形の辺の長さや角を測定する
  • 10進数以外を扱う

数学函数

絶対値

絶対値は、数直線上での原点からの距離を表す。(つまり、符号を+に変えるということ。)たとえば、-4の絶対値は4、3の絶対値は3である。数学では、絶対値は、|-3|のように表す。Scratch 1.2以前では、このブロックは独立していた。

切り下げと切り上げ

切り下げ

指定した数の小数点以下を切り下げて整数にする。たとえば、1.73を指定した場合は1を返す。-2.74を指定した場合は-3を返す。[1]

切り上げ

指定した数の小数点以下を切り上げて整数にする。たとえば、3.14を指定した場合は4を返す。-7.68を指定した場合は-7を返す。[2]

平方根

平方根とは、2乗すると目的の数になる数値のことで、x2=aのとき、xはaの平方根であると言う。たとえば、4の平方根は2と-2、9の平方根は3と-3である。このように、0以外の数に対する平方根は、常に正と負の2種類が存在するが、このブロックが返すのは正の平方根のみである。なお、数学では、平方根を√1のような記号で表す。

Scratchでは、虚数 (負数に対する平方根) はサポートされていない。このため、負数の平方根を求めようとすると、Scratch 1.4では、エラーが発生する。一方、Scratch 2.0では、NaN(非数)を返す。 次のようなコードで事前に入力の正負を調べ、場合をわけて処理すれば、どちらの場合でも数学的に正しい答えを得ることができる。

もし <((1) 番目\((入力)\)の文字) = [-]> なら
[入力 v] を ((0) - (入力)) にする//入力された負の数を正の数に変換
[出力 v] を (([平方根 v] \((入力)\)::operators)と [i]) にする //正の数にして算出した平方根にiをかけて出力
でなければ
[出力 v] を ([平方根 v] \((入力)\)::operators) にする

メモ:iは虚数単位と呼ばれる数であり、√-1を意味する。

sin、cos、tan (三角函数)

直角三角形

sin、cos、tanは、三角函数と呼ばれるものである。これらは、直角三角形の直角以外の角を与えると、その三角形の2辺の比を返す。これらの函数を選択した場合、ブロックに入れた値は直角三角形の該当する角の角度 (°) として扱われる

sin (サイン)

正弦。直角三角形の角度を与えると、対辺と斜辺の比を返す。上の三角形ではsin θ = b / c

cos (コサイン)

余弦。直角三角形の角度を与えると、隣辺と斜辺の比を返す。上の三角形ではcos θ = a / c

tan (タンジェント)

正接。直角三角形のある角度を与えると、隣辺と対辺の比を返す。上の三角形ではtan θ = b / a

asin、acos、atan (逆三角函数)

asin、acos、atanは、 逆三角函数と呼ばれるものである。sin、cos、tanが、直角三角形の1つの角度から2辺の比を調べる函数であるのに対し、asin、acos、atanは、直角三角形の2辺の比から角度を調べる函数である。

asin (アークサイン)

逆正弦。sin−1と書かれることもある。直角三角形の対辺と斜辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では asin b / c = θ

acos (アークコサイン)

逆余弦。cos−1と書かれることもある。直角三角形の隣辺と斜辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では acos a / c = θ

atan (アークタンジェント)

逆正接。tan−1と書かれることもある。直角三角形の隣辺と対辺の比を与えると、対応する角度の大きさを返す。上の三角形では atan b / a = θ

指数と対数

e^ と 10^

e^と10^は指数函数である。これらは lnとlogの2つの対数函数の逆にあたる。

e^

これは、ネイピア数eを何乗かしたときの結果を返す。ネイピア数は、2.71828...と続く数で、数学ではeで表される。

10^

これは、10を何乗かした数を返す。たとえば、10^2=102=10 × 10 = 100である。

lnとlog

lnとlogは対数函数である。これらは e^ と 10^の2つの指数函数の逆にあたる。

ln

lnは自然対数を返す函数である。ネイピア数eを何乗すれば指定した値になるかを返す。たとえば、148.4を指定した場合、このブロックは約5を返す。[3]

log

logは常用対数を返す函数である。10を何乗すれば指定した値になるかを返す。たとえば、100を指定した場合、このブロックは2を返す。[4]

注釈

  1. -2.74を切り下げた結果を-2とする考え方も存在するが、Scratchでは正の数の切り下げと同じ向き(マイナス方向)に切り下げる
  2. -7.68を切り上げた結果を-8とする考え方も存在するが、Scratchで正の数の切り上げと同じ方向プラス方向 )に切り上げる
  3. e5 (e×e×e×e×e) は 約148.4
  4. 102 = 10 × 10 = 100